S&Pと恐怖指数
昨日マーケットクローズ後23まで下がり、そのまま下がり続けるかに見えた/VX(VIX先物)ですが、夜中からクローズまでジリジリと上がり続けてしまいました。
/ES (S&P先物)は4000から3940まで60ポイントしか下がっておらず、日中は3950近辺をフラフラしていただけなのに/VXが上がり続けています。これは株価の動きとは別にオプション市場が近い将来のリスクを予想しているということで、かなり不穏な状況ですね。
米地銀の経営不安ですが、米金融当局がBTFP(Bank Term Funding Program) という支援策を発表しアメリカの地銀が利用しはじめているようです。
BTFPは銀行が保有している債券を担保に融資を受けるというものです。銀行が保有している米国債は満期まで保持していれば満額に利子がついて払い戻されますが、今債券市場で売却しようとすると金利上昇によって価値が下がっていて損になります。
今回のプチ金融恐慌もシリコンバレーバンクが資金難になり米国債売却を強いられ巨額の損を出して金融不安を引き起こしました。
これらの銀行が保有している米国債は価値が下がっているので本来は担保としても額面通りの融資を受けられません。BTFPはそういった価値の下がっている米国債の担保でも満額を融資するというものです。
これで他の地銀がSVBのように含み損を抱えた巨額の国債を処分して金融不安を煽る事は免れます。BTFPで支援を受ける銀行名は秘匿されるので顧客心理の不安を煽る事もないです。また政府が新たに貨幣を発行して資金を提供するのと違い、存在する米国債を担保に資金を提供するのでインフレ悪化の原因には(直接には)なりません。
ただ、BTFPは金利が高い(翌日物スワップレート+10bps) ので銀行の経営を圧迫するのは目に見えていますし、一年で返却しないとならないので一時凌ぎにしかならないですね。あとBTFPは国債やそれに準ずる格付けが高い債券しか担保として認めないので、他のグレードの低い資産で含み損が出ている銀行は支援が受けられないです。
まぁそういう銀行は淘汰されてもしょうがないですけどね。
BTFP以外にもメガバンクの連合が地銀の支援に乗り出したりしていますが、実際どうなるのかは不透明ですし、金融不安が長期化する可能性もあります。
米金融当局も金融業界もかなり迅速に対応していますが、上がった恐怖指数が下がり切るまもなく毎日新しいニュースがあり恐怖指数が増加している状況ですね。恐怖指数がこのまま増加し続ければ市場は大荒れになる可能性もあります。
インフレは止まらず大勢はFOMCの0.25%利上げ予想に傾いていますが、実際蓋を開けてみるまでどうなるかわからないです。来週のFOMC金利決定政策会議まで/VXは下がりそうにないですね。
今日の株オプショントレード
/VXが上がったのでいくつかトレードをオープンしましたが、/VXが上がり続けたのですぐ損が出ています。さらにまだ上がりそうなので様子見です。
低迷するS&PやRussell2000を尻目にナスダックはそこそこ好調ですね。Chat GPTのAI祭りで$MSFTや$NVDAが勢いが良くオプショントレードが圧迫されがちですが、祭りが失速した時の降下は早いので気が抜けません。
先物は乱高下していますが、中でも金の上昇がすごいです。反落予想で/GC(金先物)のコールスプレッドをオープンしましたがさっそく損が出ています。あとは原油も暴落ですね。 できる限り広くとった/CL(原油先物)のアイアンコンドルは問題ないのですが、/MCLのストラングルで下方突破されてITMになっています。
ポートフォリオのデルタはほぼゼロですが、唯一トレードアカウント1号がちょっと(NetLiqの0.01%ほど)プラスに振れています。反発予想だったのですが、マーケットは結局下がったままで終わりました。
リスクとBP使用率をさげるために少額の利益が出ているトレードをいくつかクローズ。
全体的にはデルタで損はしていないが/VXが上がったままなので損が出ています。ポートフォリオのP/Lは-0.4%でした。
/VXは絶対に下がるのですが、その前に大幅に上がることもあるのでリスク管理を念頭に様子を見ています。