株オプション 基本編

オプションの基本 (6) - デルタ

デルタは株価とオプションの行使価格の差、距離なのですが、この距離はオプションがITMになる確率、そしてオプション価格と株価の連動係数にもなります。

デルタはオプション取引をする上で欠かせない重要な指数です。

ポイント

デルタはオプションがITMになる確率

デルタは株価とオプション価格の連動係数

デルタはオプションが何株に相当するかを表す

デルタはオプションがITMになる確率

オプションがITMになる可能性は株価と行使価格との差で決まりますが、これは直線関係ではありません。なぜなら株価は現在の価格を中心に正規分布に沿った動きをするからです。

デルタは行使価格と株価の距離をこの正規分布を使って表した数字で、ショートプットでは下の図のような曲線になります。 OTMで遠く離れていればデルタは0に近くなり、ATMでは50になり、ITMになるにつれてどんどん100に近づいていきます。

デルタ曲線は予測される株価の動きに基づいているので、期限日にオプションがITMになっている確率として使う事ができます。

デルタはオプションが期限日にITMになっている確率です

例えばデルタ=10ならITMになる確率は10%。ATMではデルタ=50でITMになる確率は50%。そしてITMになればなるほど確率は100%に近づきます。

info

厳密にはデルタは確率ではないのですが「期限日にITMになる確率」と同じ曲線なので確率そのものと考えてかまいません

デルタはオプション価格と株価の連動係数

オプション価格は株価に連動しますが、この連動率は株価がどれだけ離れているか、つまりデルタで決まります。デルタは連動率としても使えるのです。

デルタは株価の変動に対してオプションがどれだけ変動するかを表します

例えばデルタ=10ならオプション価格の変動額は株価変動額の10%になります。

ATMでデルタが50の時はオプション価格の変動は株価変動の50%になります。

オプションがITMになるとプレミアムが減り本質的価値が増加していきます。オプションの価格が全部本質的価値になるとオプション価格と株価は一対一で変動します。これはデルタが100の状態です。

デルタは株数

50デルタのオプションは株価が1ドル動くと50セント変動します。オプションは一本が100株相当なので実価格は(0.50ドルx100株)=50ドル変動します。

ところでこれは50株保有しているのと同じ変動ですね。

つまり50デルタのオプションは50株と同等なのです。 

デルタはオプションが何株相当なのかを表します

50デルタのオプションは50株と同じ動きをしますが、50株よりずっと少ない資金で取引できます。これがオプションのレバレッジです。

またデルタが株数をあらわすなら、株そのものもデルタで数える事ができますね。例えば50デルタのオプションと100株の両方を保有していたら合計で150デルタになり150株を持っていることになります。

ガンマ

デルタは株価とオプションの行使価格の差で決まるので、株価が変動すれば当然デルタも変動します。

例えば50デルタのオプションは株価が変動すると20デルタになったり70デルタになったりします。 これをダイナミックデルタ(動的デルタ)と呼びます。  

オプションのデルタは株価によって変動します

株価の変動によるオプションのデルタの変化率をガンマと呼びます。 株のガンマは0なので株のデルタは株価の変動による影響を受けません。 

オプショントレードでガンマを使うことはあまりありませんが、オプションのデルタはガンマによって変化するというのは理解する必要があります。

info

$AMCや$GMEのミーム株はガンマを利用したガンマスクィーズと呼ばれるやり方で高騰しました

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